参列者が焼香台にまで移動してお焼香するのが立礼焼香や座礼焼香ですが、回し焼香では参列者は移動せず、焼香台を回してもらってお焼香します。
自宅で葬儀を行うなど、狭いために立って移動すると危ない場合、回し焼香が行われます。
回ってきた焼香台は自分の前か、膝の上に置いて焼香します。
地方や地域によってはお香代として100円硬貨を焼香台に置いてから、次の参列者に回すところもあります。
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回し焼香のやり方は右手のみで合掌?焼香台を落とさないように、しっかり支えることがマナー
立礼焼香、そして座礼焼香は参列者が焼香台まで移動して行うお焼香であるのに対し、参列者は移動せず、焼香台を移動させて行うお焼香のことを回し焼香と言います。
自宅など、比較的狭い場所で葬儀を行い、人が移動できるだけのスペースがない場合に、この回し焼香が行われます。
焼香台は隣の人から回ってくるので、参列者は自分のお焼香が済んだら、反対側の隣の人へと回します。
座席の前に焼香台を置くスペースがあればそこに置いてお焼香をしますが、焼香台を置くスペースがない場合には座っている自分の膝の上に置いてお焼香をすることになります。
自分の膝の上は安定が悪いので、片方の手でしっかりと焼香台を支えて、落とさないように注意しなければなりません。
お焼香は右手で行うので、焼香台を支える手は左手ということになります。
合掌も右手のみで行うことになりますが、これはマナー違反にはなりません。
焼香台の受け渡しをするさいは隣の人に対し、軽く一礼をするのがマナーとなります。
自分の席が列の端である場合は後ろの席の参列者に焼香台を回すことになりますが、このさいは焼香台の向きを変えてしまわないように注意することが必要です。
焼香台の右側にはお香、左側には香炉が来るように置かれています。
後ろの列に回すさいにはお香と香炉の置かれている位置が変わってしまわないように、十分に配慮して行わなければなりません。
焼香台を回転させてしまうとその上に置かれているお香と香炉の配置が左右逆になってしまうので、気をつけて後ろの列へと焼香台を回すようにしましょう。
回し焼香では古くからの風習の名残りとしてお香代としてお金を置くところも
回し焼香でお焼香するさい、自分に焼香台が回ってきてお焼香をしたあとに100円硬貨を焼香台に置いてから次な参列者に回すことがあります。
これは地方や地域によって古くからの風習が根強く残っているものです。
焼香台に置かれるお金はお香代で100円のこともあれば、10円や50円のこともあります。
焼香台は最後にお焼香をした参列者から喪主、あるいは施主へと渡され、喪主、あるいは施主は読経中の僧侶のものへと運びます。
焼香台に置かれたお金は、僧侶によって浄財として供えられます。
焼香台の安全が何よりも大切!僧侶や遺族に対しての礼は、最後に全員で
立礼焼香や座礼焼香ではお焼香する前と後に1度づつ、僧侶や遺族に向かって一礼しますが、回し焼香の場合はそれができないことが多くあります。
スペースがないためにお焼香を回し焼香としているからで、狭い場所では回ってきた焼香を落としたり倒したりしないことを最優先に考えなければならないからです。
狭い場所でお辞儀をすると体が他の人にぶつかってしまい、大変に危険です。
そのはずみで焼香台にも当たってしまい、落としたり倒したりする危険があります。
そのため回し焼香とする場合には焼香台を受け渡しする相手に軽く一礼する以外、お辞儀をしないことが多くなっています。
最後となった参列者のお焼香が終えたら、全員で立ち上がり、前方に向かって深く頭を下げることで礼を尽くします。