故人が厚生年金被保険者であったときなどは、遺族に遺族厚生年金が支払われます。
配偶者、子供、父親・母親、孫、祖父母に、遺族厚生年金故人が受け取るはずだった老齢厚生年金の4分の3の金額が支払われます。
故人、遺族ともに要件が定められており、この要件を両方とも満たしている場合に支給されます。
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遺族厚生年金の受給資格者は故人の配偶者、子供、父親・母親、孫、祖父母まで!
遺族となったことを理由として支給される年金のひとつに、遺族厚生年金があります。
遺族厚生年金は厚生年金から支給される年金で、どんな場合にもらえるか、誰がもらえるかについては厚生年金保険法第58条、第59条において規定されています。
厚生年金保険法第58条においては遺族厚生年金は厚生年金の被保険者であるときに亡くなったとき、厚生年金の被保険者であったときの傷病により被保険者でなくなってから5年以内に死亡したとき、障害等級1・2級である障害厚生年金受給権者が死亡したとき、老齢厚生年金の資格要件を満たしている者が死亡したときに支給されると定められています。
第59条は遺族厚生年金を受け取ることができる遺族の範囲を定めた条文で、故人によって生計を維持されていた配偶者、子供、父親・母親、孫、祖父母に遺族厚生年金が支給されることが規定されています。
父親・母親、あるいは祖父母が遺族厚生年金を受け取るためには55歳以上でなければならず、子供、あるいは孫は18歳に到達して最初の3月31日を迎えていないか、障害等級1級、あるいは2級で20歳未満でなければなりません。
もらえる遺族厚生年金の金額は老齢厚生年金額の4分の3
遺族厚生年金の金額は、故人が受け取ることができるはずだった老齢厚生年金の4分の3の金額です。
故人が受け取ることができるはずだった老齢厚生年金額は、それまでの故人の標準報酬月額や標準賞与額をもとに計算されます。
この標準報酬月額や標準賞与額にもとづいた厚生年金保険料を故人はそれまでに支払っており、受け取ることができるはずだった老齢厚生年金もこれらをもとに計算されます。
遺族厚生年金の金額の計算には標準報酬月額や標準賞与額と、被保険者であった期間が用いられますが、被保険者期間については300か月に満たない場合は300か月として計算されることになっています。
30歳未満の子供のいない妻は要注意!5年で遺族厚生年金はもらえなくなる
遺族厚生年金をいつまでもらえるかについては、誰が受け取るか、また妻が受け取る場合は年齢、あるいは子供がいるかいないかによって決まります。
妻は無条件で遺族厚生年金を受け取ることができ、年齢が30歳以上であるか、または子供がいる場合は自身が死ぬまで遺族厚生年金を受け取ることができます。
しかし妻の年齢が30歳未満であり、かつ子供がいない場合、5年間しか遺族厚生年金を受け取ることをできません。
子や孫の場合は18歳に到達して最初の3月31日を迎えるか、障害等級1級、あるいは2級の場合は20歳になるまで、遺族厚生年の支給は行われます。
反対に夫や父母、祖父母の場合は60歳にならないと、遺族厚生年金を受け取ることはできません。
夫や父母、祖父母は故人がお亡くなりになったときに55歳以上であれば受給権者となることができますが、60歳にならないと実際に遺族厚生年金を受け取ることはできません。
ただし60歳以降は死ぬまで遺族厚生年金を受け取ることが可能です。
遺族厚生年金は収入を得ても減額されないのが特徴的!しかし再婚などをすると打ち切りに
遺族厚生年金はパートに出たり再就職したりしても、減額されません。
しかし再婚したり直系血族や直系姻族以外の者の養子になったりすると打ち切りの措置が取られます。